増渕ボストン日本語学校支援基金

名誉理事・増渕氏メッセージ

「増渕ボストン日本語学校支援基金」設立の挨拶


ボストン日本語学校は1975年6月に僅か25名の生徒で始まりました。開校当時は非常に不安定な状態でしたが、関係者の努力に依って段々規模が増大し、世界的にも有数の規模となりました。この間1990年には「地域社会との融和交流の推進と尽力」に対して、外務大臣表彰を受けました。これはひとえに開校以来生徒諸君、保護者の皆様、教職員の方々のご努力の結果で、開校以来校長並びに名誉校長としてこの学校の運営に関与して来た私としては大変嬉しく且つ誇りに思っております。 

今日では小学校から高等学校までの教育は世界中のどの国でも市町村などの公共機関が運営するのが基本になっております。ここボストン日本語学校でも、校長及び教頭先生は日本政府から派遣されるなど日本政府から多額の経済的援助を受けておりますが、日本にある多くの「公立学校」とは異なり「私立学校」です。アメリカ側からの経済援助は受けておりません。幸いにして園児・児童・生徒数の増加に伴って学校の運営経費も増加して参りましたが「財産」と言えるものは殆ど増加しておりません。言ってみれば「子供の数が増え教育費が増加したが幸い親の収入も増えたのでどうやら生活は成り立っているが、銀行に預けてある貯金は少しも増えていない」状態です。「今迄どうにかやって来れたのだから心配することは無い」と言う人もいるかも知れませんが、私は「教育費が増加するに従い、いざという場合のことを考え貯金も増やすべきだ」と常々考えておりました。 

2009年4月、ボストン日本人会をはじめ多くの関係者の方々のご尽力により「増渕ボストン日本語学校支援基金」が設立されました。基金を運営していくことにより、将来何か困難な事態が発生した場合、それを乗り越えて行くことが容易になるでしょう。また、ある程度の基金が集まれば、それから発生する利子を様々な有用な用途に使用することが出来、将来における本校の更なる発展に貢献できると思います。 

現在、私達は文化や民族を問わず、お互いを尊重しながら共に協力して生きる社会を目指しています。本校ではそのような未来を担う国際社会に貢献できる子供達を日本語教育の現場から支援しています。子供達一人ひとりが着実な歩みを重ねていけるよう、皆様のご支援ご協力をお願い致します。 


 増渕 興一(ますぶち こういち) 1924~2016

マサチューセッツ工科大学名誉教授(工学博士・船舶及び溶接工学)。1924年北海道生まれ。東京帝国大学第一工学部船舶工学科卒業。材料接合部テクニカルアドバイザーとして米国バッテル研究所勤務。10年間に亘りNASAの宇宙ロケット計画に関わる。1968年からはマサチューセッツ工科大学で教鞭を執り、米国及び日本の理工系教育の発展に大きく貢献する。1995年勲3等瑞宝章を受章。